活動・事件紹介・弁護士コラム

刑事事件の法律相談 --弁護士はなぜ「悪人」の味方をするのか?

2013/07/23
水谷敏彦
 なぜあんな悪い人の弁護をするのか? 弁護士は悪人の味方なのか?――よくこんな問いかけを受けます。皆さんも同じ思いをお持ちでは。
 これに対する答えは「はい」でもあり、「いいえ」でもあります。

 まず、弁護しているその人が本当に悪い人か(本当に犯人か)は裁判を通じて初めて決まることです。犯人扱いされた人が実は無実だったという冤罪事件は今日でもあとを断ちません。ですから、本当は悪人ではない事実を裁判で明らかにするために、弁護士による弁護活動が必要になります。

 もっとも、そうした冤罪事件は例外で、多くの場合は間違いなく犯人でしょう。しかし、そのときでも、その人が罪を犯すにはそれなりの事情があり、そうした事情や、十分反省していることなどを裁判で明らかにし、過重な処罰を受けないようにすることも大事です。凶悪犯罪を犯したとして社会全体から厳しい非難を受けている人にこそ、唯一の味方ともいうべき弁護士の弁護が必要なのです。

 もう1つ大切なことは、捜査や裁判が公正に行われているか監視することです。もし今日ずさんな捜査や裁判が行われたなら、明日は悪人でない無実の人も不当な捜査や裁判を受けることになるでしょう。弁護士がいま「悪人」を弁護しているのは、明日訴追されるかもしれない善良な市民を護るためでもあるのです。

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