法律Q&A

私は,会社のオーナーから依頼されて,代表取締役として経営に携わっています。 しかし,今般,オーナーから,私の給与を下げると一方的に通告されました。従わなければ解任するとも言われています。経営状態が悪いわけでもなく,私は一生懸命仕事をしているのに納得いきません。

1 取締役報酬の一方的減額
  通常,会社と取締役の間では報酬の合意がされており,これは会社と取締役の間の委任契約の内容となっています。このため,会社が,取締役の任期中に,その同意がないままに,一方的に報酬を減額することはできません。このことは,会社が,報酬の合意の後にそれを減らす又はなくすという株主総会決議を行った場合も,同じです(もっとも,任期が改まった場合には,会社が,報酬額を減らして就任を求めてきた場合,就任はしつつも従来の報酬額を求めるということはできないと考えます。)。
  したがって,任期中に会社から一方的に報酬を減額されてしまった場合(従来の金額よりも低い金額しか支払われない場合)は,従来の金額との差額を会社に請求することができます。

  
2 任期途中の取締役解任
  取締役は,会社との信頼を受けて経営を行いますから,会社が,信頼関係がなくなったとして解任を求める場合にまでその取締役を任用し続けないといけないとすることは不都合です。このため,会社は,任期途中であっても,取締役を解任することができるとされています。
  しかし,取締役に何の落度もない場合に解任されてしまうと,残りの期間の取締役報酬を一切失うこととなって取締役に酷ですので,正当な理由のない解任の場合には,解任された取締役は,損害賠償請求として,解任されなければ支給されたはずの報酬等を請求することができると法律で規定されています。
  したがって,今回のケースでは,解任されたとしても残りの任期分の報酬を請求できることになりますが,会社側が解任についての正当な理由を立証した場合には請求は認められないこととなります。もっとも,経営判断の失敗も「正当な理由」に当たるかは,両説あるところです。
  なお,近時は,取締役の任期が定款によって最大10年に伸長されていることも多いですが,例えば解任後の任期が8〜9年分残っていたという場合に,そのような長期間分の報酬が請求できるかについては見解が分かれています。

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