法律Q&A

インターネットサイトをみていたら、明らかに私を対象とする、私を誹謗中傷する内容の書き込みを見つけました。なんとかしたいのですが、どのような方策がありますか。

 考えられる方策としては、大きく分けて、【1】削除請求、【2】投稿者の特定及びその後の損害賠償請求、【3】刑事告訴があります。
  
【1】削除請求
 サイトの管理者に対して、問題の投稿を削除するよう要求することです。サイトで用意された手続を利用する方法のほか、裁判所を通じて削除を求める方法があります。なお、ちょっと亜流ですが、検索サイトに依頼して、検索結果から問題のサイトを除外してもらう、というやり方もあります。
 
【2】投稿者の特定及びその後の損害賠償請求 
 投稿者が誰であるかを突き止めることですが、手続としては、現時点(2021年8月)では、
 
 (1)掲示板等の管理者から投稿者のアクセスログ(IPアドレス・タイムスタンプなど)を出してもらい、
 (2)その後にそのIPアドレスを割り当てた通信事業者(いわゆるプロバイダや携帯電話会社など)に対して、契約者の氏名住所を開示するよう請求するという、2段階の手続が必要です。そして、
 (3)投稿者の特定ができれば、投稿者に、慰謝料などを請求します(特定までにかかった弁護士費用は、投稿者が特定できれば請求できますが、どの程度まで請求が認められるかについては定まった運用はまだないように思われます(2021年8月時点))。

 (1)、(2)とも、時間が経つと必要な情報が消えていってしまい、特定ができなくなりますので、できる限り早い対処が必要です。
 
【3】刑事告訴
 警察等に対して、名誉毀損や侮辱の被害を受けたとして、投稿者の処罰を求める方法です。警察等の捜査で投稿者の特定がされれば、通常は投稿者に関する情報を教えてもらえます。ご自身で告訴や被害届提出をすることもできますし、弁護士が告訴の代理人になって告訴状を作成・提出することもできます。この方法は経済負担が小さいですが、警察の方も多忙なため必ず取り上げてくれるとは限りませんし、サイト管理者が外国の場合は日本の国家権力が及ばないため捜査が難しいようです。
 
 なお、いずれの方法によっても、削除や特定が実現できない場合もあります(関係業者が外国に所在して提訴に応答しない場合、ログをたどっても1人にたどりつかない場合、時間が経ってログが消えた場合、投稿が繰り返される場合など)。

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