法律Q&A

建築会社に依頼して,自宅建物を建築してもらったのですが,不具合が見つか りました。不具合を直してもらったり,損害賠償請求したりできませんか?

 法律上,建築工事を請け負った請負人である建築会社は,請負人として,民法 に定める「瑕疵(かし)担保責任」を負います。
 「瑕疵(かし)」とは簡単に言えば,欠陥のことです。
 請負人に瑕疵担保責任が認められれば,瑕疵修補請求(民法634条1項)(欠陥を直せという請求),損害賠償請求(民法634条2項)が認められることになります。
 もっとも,どのような不具合でも,瑕疵担保責任が認められる「瑕疵」となるわけではありません。
 一般に,請負人に瑕疵担保責任が認められる「瑕疵」とは,「客観的性質・性能が欠如している場合や契約上予定していた性質を欠いている場合」といわれていて,判例も,このような場合に,「瑕疵」の存在を認めています。
 建築紛争においては,以下の①,②の場合が「瑕疵」とされることが多いです。
 ① 建築基準法のうち,建物の安全に関する規定(「単体規定」と呼ばれてい  る規定)に違反している場合
 建築基準法の単体規定は,建物としての最低限の安全性を確保するための規定です。この規定を満たさない建物は,最低限の安全性を満たしていない建物となります。このような最低限の安全性も満たさない建物を建てる合意,契約は通常行われません。ですので,建築基準法の単体規定に違反する場合は,原則として,「瑕疵」となります。
 ② 建築基準法の単体規定違反ではないが,契約当事者間で,「特に約定され,契約の重要な内容となっていた場合」におけるその特約違反(最高裁平成15年10月10日判決)
 契約当事者間で,特に約束をされていて,その約束が,契約の重要な内容となっていたにもかかわらず,その約束に反する建物が建てられた場合にも,「瑕疵」となります。
 ここで注意が必要なのは,約束・契約と異なっていれば,つまり,設計図や見積もり等と異なっていれば,それだけで,どんな場合でも「瑕疵」と認められるわけではないという点です。建築物は,現場での一品制作物という特殊性があり,設計図のままでは納まりが悪い等の理由で,現場において部材が変更されるということも日常的に行われています。それらの部材変更等の全てが,設計図と違うということだけで全て「瑕疵」とするのは非現実的です。
 もっとも,当然ですが,契約の段階で,特定の部材の使用等が「特に」約束され,それが,契約の「重要な」内容になっているような場合には,設計者や施工者は,その約束を守らなければならず,勝手に約束を破って部材を変更するなどするのは明らかに契約違反というべきです。
 このような観点から,最高裁は,「特に約定され」,さらに,契約の「重要な」内容となっていた場合に「瑕疵」に当たると限定しているのです。

 以上の①,②に該当する場合には,瑕疵修補請求や損害賠償請求を行うことができる可能性が高いですので,一度,弁護士に相談されることをお勧めします。また,上記の①,②に該当するか否かを判断するためには,建築基準法や建築工事等に関する専門的な知識が必要になりますので,そもそも上記①,②に該当するか分からないという場合も,一度,弁護士に相談されることをお勧めします。

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