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3月31日 自由法曹団北陸ブロック総会

2017/04/03
 当事務所の弁護士は全員が自由法曹団に所属していますが,毎年,北陸三県の自由法曹団所属弁護士が集まって,そのときの課題の取組み方への議論や,運動の状況についての情報共有をしています。

 今年は,福井でブロック総会が開催され,特に共謀罪反対の取組みについての議論がされました。

 各県の弁護士が取組みの内容について話し合いましたが,「一般の方に対して,共謀罪の問題点の訴えが十分にできていない」という悩みは共通していました。

 議論を聞いていて,一般の方とギャップがある理由は,一般の方には「悪いことをしないならば,共謀罪ができても自分には関係がない」という考えがあることかと思いました。

 しかし,「悪いことをしなければ捜査を受けることはないから心配ない」というのは間違いで,共謀罪ができれば,「悪いことをしていないし相談もしていないのに,『悪いことをしているんじゃないか』と疑われる可能性が大きくなる」ことになります。

 そして,実際には何も悪いことをしていなくても,捜査に対応したり,ましてや刑事裁判になって無罪を獲得したり,というのは,ものすごい負担ですから,「悪いことをしない」という行動から,「(別に悪いことをするわけではないけれど)誰からも悪いことをしていると言われない」ような行動に変えようということになり,これは,悪いことをするつもりはなくても,自由に対する大きな脅威になるはずです。

 また,共謀とは,犯罪を共同して行おうという内心の一致のことを指しますが,その立証は,共犯者(とされる人)の証言でもOKなので,例えば共犯者の証言が複数あって「根幹部分において一致」していれば,なにもしていなくても共謀罪成立により有罪,となる可能性すらあります。

 ひとりひとりの弁護士にはできることは限られますが,刑法・刑事司法システムを勉強した者として,共謀罪の問題点・こわさを,少しでも広く伝えられたらと思いました。

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