活動・事件紹介・弁護士コラム

裁判傍聴について

2022/02/28
 裁判所に行くと裁判を傍聴することができます。
 しかし、民事裁判を傍聴しても、ほとんどの事件で、「訴状を陳述します。」、「準備書面を陳述します。」などというやりとりと次回の期日を決めているだけで、当事者や代理人が何をやっているのか、よく分からないことが多いかもしれません。
 
 民事裁判の手続には、「弁論」、「弁論準備」、「書面による準備手続」などの種類があり、それぞれの手続の中で、何ができるかや公開しないといけないかなどが決まっています。
 法廷において公開で行われるのは「弁論」の手続です。「弁論準備」や「書面による準備手続」は非公開なので、第三者は傍聴をすることができません。また、訴訟における主張などはあらかじめ「準備書面」と呼ばれる文書を、裁判所と相手方に提出しており、「陳述します」と述べるだけで、あらかじめ提出していた準備書面の内容を全て述べたことにできるので、ほとんどの事件では、双方「陳述します。」のやりとりが行われているのです(もちろん準備書面の中では様々な主張のやりとりが行われていますし、口頭で議論を戦わせることもあります。)。
 
 もっとも、社会的に大きな意義のある事件などの際には、裁判官に対し、プレゼン資料などもしっかりと準備して、法廷で、主張内容を説明することもあります。
 
 一方、刑事事件の裁判は、検察官による起訴状の朗読や冒頭陳述などで、検察官が主張する罪となるべき事実や事件の内容が法廷で述べられますし、弁護側の冒頭陳述が行われた場合には、弁護側の主張内容も、法廷で述べられます。また、証拠の内容についても、要約などが法廷で述べられます。証人への尋問や被告人への質問も、法廷で行われますし、検察官の求刑や弁護側の弁論も法廷で読み上げられるので、初めて傍聴にいく方は刑事事件の方がわかりやすいかもしれません。

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