相手方の保険会社から過失相殺、過失割合という話をされました。過失相殺、過失割合とは何ですか。何か基準があるのですか。
交通事故の場合、被害者は、相手方に対し、原則として、民法709条に基づいて損害賠償請求をすることになります。
もっとも、被害者にも過失(注意義務違反)が認められる場合、被害者から相手方への100パーセントの損害賠償を認めることは相当でない場合があることから、法律上、被害者の過失の程度を考慮して損害賠償の額を決めることができることになっています(民法722条2項)。
例えば、被害者の過失が20パーセント、相手方の過失が80パーセントという場合には、被害者から相手方への損害賠償請求は80パーセントの範囲で認められることになります。
これが過失相殺と呼ばれる考え方です。そして、双方の過失の程度がどのくらいになるかを過失割合等と呼んでいます。
交通事故の過失割合については、事故態様によって概ねの基準が存在します。
もっとも、個別の交通事故の事情毎に基本となる過失割合から修正されることもあります。
弁護士が交渉等にあたる場合には、こうした基準も参考にしながら、過去の同様の交通事故の裁判例等も調査し、過失割合について主張していくことになります。