不動産登記について
2023/07/10
貴方は、自分の所有している家が「自分のものである」ということをどうやって証明しますか?
「いやいや、私が買って、実際に、私が住んでいるんだから、私の物に決まっているじゃないか」、あるいは、「私が市役所に固定資産税を払っているから私の物だよ」という声が聞こえてきそうです。
しかし、不動産の物権変動を第三者に対抗するためには「登記」をすることが必要とされています(民法177条)。
仮に、登記をしなくても、例えば、AさんがBさんから不動産を買った場合、その不動産の所有権はBさんからAさんに有効に移ります。したがって、Aさんはこの不動産の所有者です。しかし、Aさんが、第三者であるCさんに対して、自分がこの不動産の所有者なんだということを対抗するためには「登記」がなければならないというルールになっています。
先の事例でいえば、悪いBさんが、不動産を買ってくれたAさんが登記をしていないのをいいことに、何も事情を知らないCさんに、Aさんが買ったはずの不動産を売ってしまい(いわゆる二重譲渡のケース)、Cさんの方が先に登記を備えた場合、Aさんは、Cさんに対して、自分が所有者だとは言えないことになるのです(※この場合、Cさんが所有者となります。もちろん、Bさんは、横領罪等に問われたり、Aさんから債務不履行責任の追及や損害賠償請求を受けることになるとは思います)。
このように不動産の「登記」にはとても重要な役割があります。
不動産の登記情報は法務局にいけば誰でも取得することができます。イメージとしては、登記は、「看板」のようなものといえるかもしれません。この不動産が、誰のもので、どのような権利関係があるかを、対外的に公開することで、取引の安全と円滑をはかっているのです。
しかし、弁護士の仕事をしていると、そもそも登記がされていない建物(いわゆる未登記建物)や元の所有者が亡くなって相続が発生したにもかかわらず、相続したことを登記していないというケースによく当たります。このように適切な登記がなされていないため、現在の所有者が誰だかわからないといった多くの深刻な問題が生じており、いわゆる「相続登記の義務化」という法改正が行われるに至りました(施行は2024年4月1日の予定です)。
冒頭の質問に戻りますが、ご自宅の登記をきちんと確認したことはありますか?そこにはきちんとあなたが所有者として登記されていますか?心配な場合は、法務局で登記を確認し、もし何か疑問や問題があれば、専門家へのご相談をお勧めします。
「いやいや、私が買って、実際に、私が住んでいるんだから、私の物に決まっているじゃないか」、あるいは、「私が市役所に固定資産税を払っているから私の物だよ」という声が聞こえてきそうです。
しかし、不動産の物権変動を第三者に対抗するためには「登記」をすることが必要とされています(民法177条)。
仮に、登記をしなくても、例えば、AさんがBさんから不動産を買った場合、その不動産の所有権はBさんからAさんに有効に移ります。したがって、Aさんはこの不動産の所有者です。しかし、Aさんが、第三者であるCさんに対して、自分がこの不動産の所有者なんだということを対抗するためには「登記」がなければならないというルールになっています。
先の事例でいえば、悪いBさんが、不動産を買ってくれたAさんが登記をしていないのをいいことに、何も事情を知らないCさんに、Aさんが買ったはずの不動産を売ってしまい(いわゆる二重譲渡のケース)、Cさんの方が先に登記を備えた場合、Aさんは、Cさんに対して、自分が所有者だとは言えないことになるのです(※この場合、Cさんが所有者となります。もちろん、Bさんは、横領罪等に問われたり、Aさんから債務不履行責任の追及や損害賠償請求を受けることになるとは思います)。
このように不動産の「登記」にはとても重要な役割があります。
不動産の登記情報は法務局にいけば誰でも取得することができます。イメージとしては、登記は、「看板」のようなものといえるかもしれません。この不動産が、誰のもので、どのような権利関係があるかを、対外的に公開することで、取引の安全と円滑をはかっているのです。
しかし、弁護士の仕事をしていると、そもそも登記がされていない建物(いわゆる未登記建物)や元の所有者が亡くなって相続が発生したにもかかわらず、相続したことを登記していないというケースによく当たります。このように適切な登記がなされていないため、現在の所有者が誰だかわからないといった多くの深刻な問題が生じており、いわゆる「相続登記の義務化」という法改正が行われるに至りました(施行は2024年4月1日の予定です)。
冒頭の質問に戻りますが、ご自宅の登記をきちんと確認したことはありますか?そこにはきちんとあなたが所有者として登記されていますか?心配な場合は、法務局で登記を確認し、もし何か疑問や問題があれば、専門家へのご相談をお勧めします。